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FRP樹脂(繊維強化プラスチック)とは?

FRP(繊維強化プラスチック)
とは?

FRP(繊維強化プラスチック/Fiber Reinforced Plastics)は、樹脂に繊維を混ぜて強度を高めた複合材料です。エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂などのマトリックス樹脂に、ガラス繊維や炭素繊維などの強化材を配合して製造します。

代表的なFRPには、ガラス繊維を使用したGFRP、炭素繊維のCFRP、アラミド繊維のAFRPなどがあります。FRPは軽量かつ高強度で耐腐食性に優れるため、自動車部品、航空機部品、船舶、建築材料などさまざまな分野で活用されています。

特徴

軽くて強い

FRPの特徴としては、非常に軽量なことと強度の高さが両立している点が挙げられます。鉄よりも高い強度でアルミニウムよりも軽く、鋼製部材と比較すると比重は約1/4~1/5程度です。この特性により、構造物の軽量化と強度確保を同時に実現することが可能です。

そのため、自動車や航空機などの輸送機器では、軽量化による燃費向上や環境負荷の低減に貢献しています。また、FRPの強度特性は配合する繊維の種類や量などによって調整できるため、用途に合わせた設計が可能となっています。

耐食性

FRPは優れた耐食性を有しており、酸性やアルカリ性の環境下でも安定した性能を発揮します。また、金属材料で発生しがちなサビや腐食の心配がほとんどないため、化学プラントや海洋構造物などの厳しい環境下での使用にも適性があります。

また、樹脂の種類を選ぶことで、より高い耐薬品性を持たせることも可能です。特に、海水や化学薬品に接触する機会が多い環境では、耐食性能の高さからさまざまな製品に活用されています。耐食性の高さは、メンテナンスコストの削減にも貢献できるでしょう。

耐水性

FRPは高い耐水性を持つのも特徴です。特に、海洋環境では海水による腐食の影響を受けにくいという特性が活躍します。水に浸漬した後も強度をほとんど損なわず、吸水率も低いため、船舶や水槽、浴槽などの水に関連する製品に広く使用されています。

また、水を通さない性質から、防水パネルや貯水タンクなどの用途にも適しています。水中環境下で長期間にわたって性能を維持することができるため、水に接触する環境での構造材料として高く評価されています。

断熱性

FRPは熱伝導率が低く、断熱性能にも優れています。この特性により、エネルギー効率の向上や結露の防止が可能です。金属と比較して熱を伝えにくい特性があり、建築物の断熱材や冷凍庫、保冷ボックスなどの断熱性が求められる製品に適しています。

また、熱膨張係数が小さいため温度変化による寸法の変化も抑えられるため、温度差の大きい環境でも安定した性能を発揮。さらに、断熱性と軽量性を兼ね備えているため、断熱性能が求められる輸送機器や携帯機器などにも採用されています。

絶縁性

FRPは高い電気絶縁性を持ち、電気を通さない素材としてさまざまな電気関連機器や部品に利用されています。特に、ガラス繊維を使用したGFRPは優れた絶縁特性を示し、高圧電気機器の絶縁部品やモーターの絶縁材料として採用される素材です。

また、電波透過性も高いため、アンテナカバーやレーダードームなどの電子機器にも使用可能です。湿気の多い環境でも絶縁性が維持されやすいことから、屋外設置の電気設備にも適しています。これらの特性によって、安全性が求められる電気関連製品においても需要の高い素材と言えます。

加工がしやすい

現場での加工がしやすく、設計自由度が高いのもFRPの魅力の一つです。さまざまな形状に成形できるため、複雑な曲線や立体形状を持つ部品の製造に適しています。切断や穴あけなどの加工も比較的簡単に行えるため、現場でのカスタマイズやメンテナンスが容易です。

また、ハンドレイアップ法やスプレイアップ法などの多様な製造方法があり、製品の用途や生産量に合わせた適切な製造方法を選択できます。補修も比較的容易で、損傷部分のみを修復することが可能です。

以下のページでは、FRP製品の設計・製造から依頼できるFRPメーカーを紹介しています。

FRP樹脂の製品例・活用例

航空機・自動車・船舶

海洋船舶
引用元:サカイ産業公式HP
http://www.sakai-grp.co.jp/market-and-application

航空機・自動車・船舶などの製造に使用される部品には、高い強度や耐候性、防水性などが求められます。FRPはこうした厳しい条件をクリアできる優れた性能を持ち、飛行機や船舶のレーダーの素材として要求される電波透過性なども併せ持ちます。

スポーツ用品

スポーツ用品
引用元:サカイ産業公式HP
http://www.sakai-grp.co.jp/market-and-application

スポーツ用品は、パフォーマンスの向上によって競技において優位に立つためのスペックが要求されます。釣り竿やゴルフのシャフト、自転車のフレームなど、それぞれの製品には軽量性や高剛性などが求められ、FRPはこうした要求品質を叶える素材として重用されています。

医療用品

MRIカバー
引用元:北関工業公式HP
https://hokkan-kogyo.co.jp/product/medical/

医療分野の製品には、耐食性や耐薬品性などが求められることが多く、MRIやレントゲンなどの大型の検査機器には、放射線量を低減するX線透過性などの特殊な性質が求められる場合もあります。これらの条件を維持するCFRPなどの素材は、医療用品の製造現場でもたびたび使用されています。

建設・土木

建設用補強基材
引用元:サカイ産業公式HP
http://www.sakai-grp.co.jp/market-and-application

建築・土木業界で用いられるFRPには、主に強度や防錆性、防水性、断熱性などが求められます。橋桁を支える橋脚など、巨大なインフラ設備の重量を支えつつ、流水に対しても長期間強度を維持する必要がある建造物において、優れた性能を持つFRPはたびたび活用されています。

産業用品

300kW 向け 15mブレード(竜飛ウインドパーク)
引用元:スーパーレジン工業公式HP
https://www.super-resin.co.jp/manufacturing/wind-power-generation/

化学タンクやプラントなどの産業用品の製造には、耐薬品性や耐水性、耐熱性などを持つFRPが活用されます。また、風力発電設備のブレードなどには、軽量性や強靭性、紫外線に対する耐候性などを併せ持ったGFRPなどが活用されています。

以下のページでは、FRP樹脂を用いた製品例や活用事例を紹介するとともに、それらの開発・加工を手がけるメーカーについても詳しく取り上げています。用途に応じたメーカー選びや加工方法の参考にご活用いただけます。

FRPの種類

CFRP
(炭素繊維強化プラスチック)

CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)は、炭素繊維を強化材として使用したFRPの一種で、FRP製品の中でも特に優れた性能を持っています。鉄の約1/4~1/5という軽さでありながら、比強度は鉄の10倍以上、比弾性率は鉄の7倍以上を誇ります。また、電気を通す導電性や、X線透過性、振動減衰性、鉄の1/10程度の低熱膨張性なども特徴です。

ただし、優れた耐薬品性や耐熱性も備えているものの、酸化性の薬品には弱いという一面もあります。

炭素繊維にはアクリロニトリルを原料とするPAN系と、石油や石炭由来のピッチを原料とするピッチ系があり、それぞれ航空機や産業用ロボット、X線撮影装置、自動車部品などに使用されています。CFRPは繊維の配向方向によって強度・剛性が変化する異方性材料であり、この特性を活かすことで設計の自由度が高いことも大きなメリットです。

GFRP
(ガラス繊維強化プラスチック)

GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)は、ガラス繊維を強化材として使用したFRPの中でも広く利用されていて、比較的安価なタイプとなっています。高い強度と軽量性を持ち、電気を通さない非伝導性や電気絶縁性が特徴です。また、さまざまな形状に成形できる自由度の高さ、耐候性、耐食性、断熱性、電波透過性、耐水性なども備えています。

一方で、CFRPと同じく酸に弱い性質があるという欠点もあります。GFRPは汎用性が高く、自動車部品や鉄道車両部品、小型船舶の船体などの輸送機器関連だけでなく、ゴルフクラブのシャフトやテニスラケットなどのスポーツ・レジャー用品、浴槽などの住宅設備機器、さらには電気・通信分野から医療機器まで幅広い産業分野で活用されています。

AFRP
(アラミド繊維強化プラスチック)

AFRP(Aramid Fiber Reinforced Plastics)は、アラミド繊維を強化材として使用したFRPで、KFRP(ケブラー繊維強化プラスチック)とも呼ばれています。鋼材の6分の1という軽量性でありながら、PC鋼より線と同等の引張強度を持ち、引きちぎれにくく衝撃に強いという特性があります。

また、長期間での使用でも引張強度がほとんど変化しない長期耐久性や、金属と異なり腐食の心配が少ないことも魅力です。さらに、CFRPよりヤング係数が小さく伸びやすいため、破壊時に脆性破壊せず、たわみによる変状を目視確認できるという安全性も備えています。

一方で、非常に切れにくく加工性が難しい点や、アルカリ性薬品や紫外線に弱いという欠点もあります。AFRPは防弾ベストや防刃手袋などの安全・防護用品、レース用部品や航空宇宙部品などの輸送機器、橋梁の緊張材などの土木・建築分野で活用されています。

その他

FRPは、ガラス繊維とポリエステル樹脂の組み合わせが最も一般的ですが、さまざまな繊維と樹脂の組み合わせにより多様な種類が存在します。繊維材料としては、既に紹介したガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維(ケブラー繊維)のほか、ポリエチレン繊維を用いたDFRP(ダイニーマ繊維強化プラスチック)、ザイロン繊維を使用したZFRP、ボロン繊維を使用したBFRPなどがあります。

また、樹脂材料としては、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱可塑性樹脂などが使用されています。これらの繊維と樹脂の組み合わせにより、用途に応じた特性を持つFRP製品が製造されています。

以下のページでは、FRP樹脂素材から開発できるFRPメーカーを紹介しています。

FRP成形法

FRP(繊維強化プラスチック)の成形法は、大きく分類して湿式成形と乾式成形に分けられます。成形法を選択する際の基準は、製品の用途や形状、生産数量などです。

各成形法にはそれぞれ特徴があり、目的に応じた適切な手法を選ぶことが重要となります。ここでは主なFRP成形法について、特徴や長所・短所、用途などをご紹介します。

湿式成形

湿式成形には、ハンドレイアップ法やフィラメントワインディング法、スプレイアップ法、RTM法などの種類があります。それぞれ長所や短所を持ち、適した用途が異なるため、製品特性に合わせた選択が必要となります。

ハンドレイアップ

ハンドレイアップ法は、FRP成形の基本手法として広く用いられています。樹脂とガラス繊維をローラーなどで積層して成形する方法であり、手作業で行われるため多品種少量生産に適しています。設備投資が少なくて済み、大型成形品を常温・無圧で成形できるといった利点がある一方で、品質が作業者の熟練度に左右されるといった短所もあります。

主にヨット、ボートなどの船舶のほか、複雑な形状のモニュメントなどの製造に用いられており、比較的短納期での対応が可能な成形法です。

フィラメントワインディング

フィラメントワインディング法は、ロービングに樹脂を含浸させ、回転するマンドレル(芯金)にテンションをかけながら連続して巻きつける成形法です。FRP成形法の中でも特に繊維強化材の強さを有効に利用した手法で、繊維含有率が高く優れた強度が得られます。

機械による成形のため品質が安定しており、大量生産や自動化が可能という長所がある一方で、設備投資が必要な点や、円筒や球体など回転体に形状が制約されるといった短所もあります。

主に圧力容器、液体輸送パイプ、釣竿、ゴルフクラブのシャフトなどの製造に用いられており、巻き付けパターンによって成形品の強度を調整できる点も特徴的です。

スプレイアップ

スプレイアップ法は、スプレイガンから繊維と樹脂を吹き付けて、ローラーや刷毛で含浸させて成形する方法です。ハンドレイアップ法よりも生産性が高く、設備投資も比較的少なめなので中~大型成形品の製造に適しています。

機材を使用することで作業時間を短縮できる一方で、無圧成形なので繊維含有率が低くなるといった短所もあります。主に、タンクや浴槽、ドレンパンなどの製造に用いられています。

RTM法

RTM法(Resin Transfer Molding)は、強化材のみで形成された予備成形体であるプリフォームを成形型に配置し、型を閉じてから樹脂を注入して硬化させる成形法です。複雑な形状を一体成形できるという利点から、中量生産に適しています。また、成形品の表面が非常に美しく仕上がる特徴もあります。

一方で、ハンドレイアップ法やスプレイアップ法に比べて設備投資にコストがかかるという点が短所です。主に船艇、自動車、車両構造部品などの製造に用いられています。

乾式成形

乾式成形は、主にオートクレーブ法、SMC法、BMC法、ホットプレス法などがあり、航空宇宙産業や自動車産業などの高い品質が求められる分野で活用されています。設備投資や型の製作費用は高くなりますが、量産性や再現性、寸法精度に優れており、安定した製品の生産が可能です。

オートクレーブ法

オートクレーブ法は、片型(主にコア型)に中間基材を配置し、周辺を密閉して真空吸引を行い、加圧と加熱によって成形する方法です。機械による成形であり、人的介入が少なく製品の再現性が高いこと、安定した品質と特性が得られることなどが長所です。

一方で、設備の投資費用や維持費が高く、成形副資材の廃材が発生するといった短所があります。高強度の成形品が得られるため、主に衛星構造体や航空機の構造体など、宇宙・航空関連部品の生産に用いられています。

SMC法

SMC法(Sheet Molding Compound)は、チョップドストランドに樹脂を含浸させ、両面をジンシートで被覆した中間基材を成形型にチャージし、加熱加圧によって成形する方法です。成形サイクルが短く、リブやボスが同時成形できること、品質のばらつきが少ない点などが長所です。

一方で、設備投資費用が大きいことと、短繊維のため性能がやや劣ること、成形型費が大きいことなどが短所となっています。主に浴槽、浴室壁、自動車構造部品のほか、切削加工用の板材の製造などに用いられています。

BMC法

BMC法(Bulk Molding Compound)は、チョップドストランドと樹脂を混練した中間基材を団子状にして、圧縮成形を行う方法です。複雑な形状品に適性があり、成形サイクルが短く品質のばらつきも抑えられるのが長所です。その反面、設備投資や成形型費のコストがかかる点や、短繊維のため性能がやや劣る点が短所となります。

比較的短い成形サイクルで量産加工ができ、耐熱性や電気特性にも優れているため、光学機器シャーシ、複写機部品などの精密部品のほか、事務機器のハウジングなどに用いられています。

ホットプレス法

ホットプレス法は、キャビコア型で加熱加圧する成形法です。シート状の繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを積み重ね、プレス機で加熱・加圧して硬化させます。成形サイクルが比較的短く、材料歩留まりが比較的高いこと、品質のばらつきが小さいことなどが長所です。

短所としては、設備投資費用が大きいこと、成形型費が大きいことなどが挙げられます。主にパソコン筐体、自動車部品のほか、切削加工用の板材の製造などに用いられており、比較的安定した品質の製品を効率よく生産できる方法として、量産向けの製品製造に採用されています。

以下のページでは、FRP製品の設計・製造から依頼できるFRPメーカーを紹介しています。メーカーによって得意とするFRP成形法は異なるため、希望する製品の性能に合った技術を持つメーカーに相談してみましょう。

【加工用途別】
FRPメーカー3選
繊維加工技術と
成形で高温・衝撃に耐える
パネル・外装
サカイ産業
サカイ産業公式HP
引用元:サカイ産業公式HP
(http://www.sakai-grp.co.jp/)
こんな用途にオススメ
  • 航空機・鉄道の外装パネル
  • 産業機械のFRPカバー
  • 建築用外装材・ファサード
  • 船舶・海洋構造物の外装
  • など
オススメの理由

100年以上の繊維加工技術を活かし、軽量かつ耐久性に優れた成形が可能。JIS Q 9100に準拠し、航空機外装、エンジン周辺部などの高温下でも強度を保つ高性能な外装部材を提供します。

長尺・大型FRP専門
100mを超える
パイプ・タンク
今村工業
今村工業公式HP
引用元:今村工業公式HP
(https://imamurakogyo.com/)
こんな用途にオススメ
  • 上下水道・排水処理用パイプ
  • 化学プラントの耐薬品パイプ
  • 海洋・港湾向け構造パイプ
  • 発電所・工場の配管設備
  • など
オススメの理由

長尺・大型成形に対応し、100m以上の一体成形を提供。継ぎ目のない高耐久成形技術により、インフラ・海洋・化学プラントなどの過酷な環境にも対応します。

美しさと機能性を
両立した
家具・内装
東雄技研
東雄技研公式HP
引用元:東雄技研公式HP
(https://www.toyugiken.co.jp/)
こんな用途にオススメ
  • 家庭用・業務用テーブル・家具
  • 室内装飾パネル・ガラス加工品
  • 商業施設・ホテルの内装材
  • 模型・ディスプレイ製作
  • など
オススメの理由

ガラス・樹脂加工技術を活かし、耐久性とデザイン性を両立した家具・内装を加工。テーブルや模型、装飾パネルなど、多様な素材を組み合わせたオーダーメイド設計に対応し、インテリアに適した製品を提供します。

参照元:サカイ産業公式HP(http://www.sakai-grp.co.jp/history
【用途別】
FRPメーカー3選